CXO(Chief Transformation Officer)
社内の変革を担う役割。
概要
すること
会社を変革するための勉強、調査、思考、試行
同上、活動内容のアウトプットと、それの全社的かつ継続的な共有
同上、経営者との橋渡しと、推進部門との橋渡し
3点で
継続的発信とオープン
継続的に社内全体に発信を行い、社員は誰でもいつでも見たりコメントしたりできる
個別の対話や勉強会やオフィスアワーなど多様な間口も揃える
ただし「オープンにした状態で見てもらえる」と「CXO自らが覗きにいける」の二点でカバーしきれない場合、カバーできるように社内を整えねばならない → これ自体も変革でありブリッジが必要
チーフ権限
チーフなので相応の権限も持っており、社員はCXOには適度に協力しなければならない
「適度な協力」は別途ガイドライン化する。これはCXOにより現場がかき乱されないようにしたい、しかしCXOが相手にされない事態も防ぎたいというバランスを保つためである
たとえばチーム単位で週2時間、(要請があればor自発的に)協力するべし、など
ブリッジ
CXOは権限は持たず、推進能力も持たない
権限を持つ経営者との橋渡しと、推進能力を持つ推進部門への橋渡しを行う
1. 権限を持つ経営者に働きかける必要がある
2. 推進部門がない場合は、経営者に働きかけて立ち上げてもらう必要がある
3. 推進能力を持つ推進部門に働きかける必要がある
しないこと
プロジェクトワークやクライアントワーク。CXOは制約無しでフルコミットするものである
各種社内会議への参加。CXOは組織長でも経営者でもないため、彼らが普段行う内部の会議に参加する必要はない
社外発信。社外向けの訴求や体裁に費やす分も、社内の変革に費やすべきである
背景
経営者は変革を行うための権限を持っているが、変革には向いていない
1. 現場と乖離しており、当事者意識を持たないため
たとえば「生成AIが必要」と啓蒙する割には、自分では全く使っておらず原始的に優雅な暮らしをしていたりします。もちろん、孫正義氏などが有名ですが、自ら生成AIを多用して自らインパクトを感じている経営者もいますが、私の肌感では少数派です。日本の経営者全体の1割にも満たないのではないでしょうかsta.icon
2. 多忙であり、変革のためにじっくり活動する余裕がないため
3. 素早い意思決定を行うメンタルモデルに偏っており、変革に必要な持続的で深い思考・調査・勉強といった活動を行う下地を持たないため
ボトムアップからの変革は後知恵バイアスにすぎない
経営と変革は全くの別ジャンルであり、両者のマルチタスクは難しい
米国のように経営者のワンマンで変革も実施するケースもありますが、良くも悪くもバクチです。また、大企業になるとステークホルダーの意見も無視できず、思っているよりも圧力に屈さざるをえません。たとえばフルリモート可能なのに出社頻度の増加をアナウンスしたりしますsta.icon
現場と変革も別ジャンルであり、両者のマルチタスクは難しい
たとえば典型的な仕事(Typical Work)(プロジェクトワークやクライアントワーク)で高負荷に働きつつ、変革にもリソースを割くことは不可能です。変革は創造であり、クリエイターが深く集中してつくるのと同じような世界です。もちろん、クリエイターがそうであるように、典型的な仕事として創造することもできなくはありませんが、たいていは創造というよりただの作業ですし、作業が可能なのはそのジャンルが開拓されているからにすぎません。医者や弁護士のようなものです。単に知識やスキルの必要量が多いだけで、作業でしかないわけです。一方で、変革は違います。CXOなる役割を私が提唱するほどには未整備ですし、どんな組織でどんな変革を行うべきかも千差万別ですから、作業の範疇ではないのです。創造を行わなくてはならず、そのための専任・専念が事実上必要なのですsta.icon
――と、これらを加味すると、現実的には「経営者とは別に」「チーフレベルの裁量を持った」「変革の専任者」を立ち上げることになるでしょうsta.icon
参考
📖Remotismで取り上げた初案です
CXO - シームレス|Remotism
経営者(CEO)とは別の役割を設けて、かつ推進者とも分けて、ただただ変革のための原案づくりと啓蒙にフルコミットします